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カンケリデリセット〜第一話〜

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野良に別れを告げ 路地裏を進むと 突然、 雨が降ってきました。

「雨宿り。雨宿り。」

妖精が 小さな身体で “ぴょろぴょろ”と走っていると
一際目立つ 騒がしい灯りのついた バーを見つけました。

「忍び足。忍び足。」

そう呟きながら 妖精は そっとそのバーで 雨宿りすることにしました。


野良ノ唄〜第三話〜

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「それじゃ、私に名前をください」
俯きながらも 少女は勇気を出して ハッキリとそう言いました。
「いいよ。 僕の名前を半分あげる。 ノラってのは どうだろうか。」
「ノラ…ノラ。 素敵名前。 私はノラ。 ありがとうございます。 あなたが私とって 初めてのお客さんです。 どうか私の唄を 聴いていってください。」
ノラはそう言うと また あの唄を 歌いはじめたのでした。

野良ノ唄〜第二話〜

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「あっ、ところでさ 君の名前を教えてよ」
「名前、、 私に名前なんてないわ。 ずっと独りぼっちだったもの。 必要もないわ。」
少女は 溜め息混じりの声で そう呟きます。
「何を言ってるんだい? 独りぼっちなんて 僕だってそうさ。
僕だけじゃない 命あるもの みーんなそうだよ。
僕は自分で
自分の名前をつけたよ。」
「え、自分で?」
思わず少女の頰が緩みます。
「そうさ。 それに必要ならあるよ。 僕は君を唯一の
名前で呼びたいんだ。」
妖精は 屈託のない笑顔で そう言いました。


野良ノ唄〜第一話〜

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まず、初めに向かったのは 人間達の住む「街」と呼ばれるところ。
狭い、暗い、路地裏。 そこには、微かな光と 歌声が漏れていました。
「キレイな歌声だなぁ」
その声に釣られ 路地裏を覗くと、そこには 一人の少女が 誰もいない観客席に向かって 唄を歌っているのが見えました。
「こんばんわ。 とても美しい唄を歌うんだね」
妖精は、歌声を 遮るように叫びます。
「あなたは、だれ?」
薄汚れたワンピースに 身を包む少女は 少し不機嫌な 表情を浮かべています
「僕はニルノラフ。 旅の妖精だよ。 君の歌 ここで聴いててもいいかな?」

妖精がそう言うと
少女は恥ずかしそうに
軽く頭を下げ
すぐにまた
唄の準備を始めたのでした。

唄芝居ニルノラフ

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とある、唄芝居の森に住む 旅の妖精。
ニルノラフ。 彼は、いつだって孤独でした。 それは別に友達がいなかったわけではありません。 独りを好んでいたのです。
自由を好んでいたのです。
「今日はどこへ行こうか」
 ニルノラフは、今宵も旅へ出掛けます。 物語を探す旅へ。感情を紡ぐ旅へ。